第5回: VCから見た起業家群像2
第4回: 起業のプロセス
第3回: VCから見た起業家群像1
第2回: 地域経済と
ベンチャー企業
第1回: ベンチャー企業とは何か
 

▼ 第4回:起業のプロセス

経済活性化のためにベンチャー企業の立ち上げ、育成、支援そして成長の重要性が認識されて久しい。産学官挙げてのインフラ整備により、新規に創業(起業)する人が感覚的ではあるが増加傾向にあることも事実のようだ。大企業からのスピンオフであったり、大学の先生、学生、研究機関の研究者など様々である。

 起業するということは、やろうとする事業に関して全てのことを自分で計画し、判断、実行することである。このため、企業家には様々な資質が求められる。主体性、独自性、創造性であったり、計画力や行動力、決断力などである。

 しかし、これらの特性や資質をすべて満たしている人間は少ない。企業家にとって重要なことは、自分の持っている強み、何が不足しているか、すなわち弱みを十分把握し、強みを生かし、弱みをカバーしながらビジネスプランを計画、実行していくことである。

 これまで私は多くの企業家と出会い、企業の成長に立ち会ってきたが、起業の動機、目的、そしてそのバックグラウンドである理念が明確な成功者が多いという事実である。創業したすべての企業家が成功するわけではない。「死の谷」といわれるように創業して間もなく次々と難関が待ち構えている。

 難関に直面した時にそれを乗り越える原動力となるのは、起業の際の動機、目的であり理念である。ベンチャーキャピタリストとして、何故に創業したか、目的や理念をほとんどの企業家に聞くケースが多い。その時点で事業がある程度、軌道に乗っていたとしても、理念が明確でない場合には投資を見送ることが多い。

  明確な創業の「理念」とどんな困難があってもやり通す「覚悟」があってはじめて、事業が成功する。これまで成功した企業家はこれらの資質を十分に備えていることは歴史が証明しているし、将来もどうようである。